こんにちは、「やさしいいばしょ」編集部です。今回は、自分のことをちょっと深く考えてみるヒントとして、「アイデンティティ」という言葉についてお話しします。
アイデンティティとは?
「アイデンティティ」という言葉を聞いたことがありますか?
少し難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言うと「自分はこういう人間だ」という感覚や自信のことです。
たとえば――
「わたしは、人の話を聴くのが得意」
「ぼくは、絵を描くのが好き」
「わたしは、この町で生まれ育った」
そんなふうに、自分の価値観・性格・大切にしているものを知り、「自分らしさ」に納得できている状態。それがアイデンティティです。
アイデンティティの研究した人:エリク・エリクソン
このアイデンティティという考え方を深めたのが、アメリカの心理学者エリク・エリクソンです。
彼はもともと画家を目指していましたが、ウィーンで精神分析を学び、心の発達についての研究を行いました。
エリクソンは、「人の心は成長の過程でさまざまな課題に向き合う」と考えました。
その中でも青年期(10代〜20代前半ごろ)には、「自分は何者か?」という問いと向き合い、アイデンティティを確立することがとても大切だと考えたのです。
アイデンティティが見つからないときは?
エリクソンは、アイデンティティがうまく確立できないと、自分を見失いやすくなると指摘しました。
これを「アイデンティティの拡散」と呼びます。

拡散すると起こりやすいこと
自意識が過剰になる
他人の目ばかり気になって、本当の自分の気持ちがわからなくなる。
否定的アイデンティティの選択
社会に否定されているような価値観や集団に、あえて自分を同一化しようとする。
対人関係が難しくなる
人との距離感がつかめず、近づきすぎたり、遠ざかりすぎたりする。
誰にでも、こうした気持ちになるときはあります。特に思春期や環境が変わったときなどは、自分の輪郭がぼやけてしまうこともあるかもしれません。
自分にやさしく向き合う
でもエリクソンは、「アイデンティティの確立はいつでもできる」と語っています。
何歳であっても、どんな人生であっても、自分らしさを見つけたり、見直したりすることができるのです。
「今の自分は、どんなことを大切にしてるかな」
「どんなときに嬉しくなるかな」
そんなふうに、自分の内側に静かに目を向けてみる時間が、豊かな自己理解につながっていきます。
最後に
今回は、アイデンティティについてご紹介しました。
アイデンティティは、誰かと比べるためのものではありません。あなたの過去や今、大切にしてきたこと、何気ない日常の中にちゃんと存在しています。焦らず、「自分とは何か」を探す旅は、あなたのペースで、ゆっくり歩んでいくことが大切です。

わたしたち「やさしいいばしょ」は、そんな旅のお供になれるよう、これからも小さな気づきの種を発信していきたいと思っています。