こんにちは、やさしいいばしょ編集部です。サバイバー日記に寄せられたエピソードを紹介します。今回は、実家での体調不良をきっかけに、自分の心と向き合うようになった若者のエピソードです。家族だからこそ気づきにくかった苦しさと、そこから少しずつ回復していった日々のこと。このお話が、今誰かの心の奥にある「モヤモヤ」をほどくきっかけになれば嬉しいです。
※このエピソードに登場する名前は仮名です。個人が特定されない形で記事を書いています。
ずっと続いていた、原因のわからない不調
ゆなさん(仮名)が体調を崩し始めたのは、大学を卒業して実家で暮らしていたときのこと。
朝になると起き上がれず、胃が痛くなったり、頭痛が続いたり。病院に行っても「ストレスですね」と言われるだけで、はっきりした原因はわかりませんでした。
「こんなに心配してくれてる家族なのに、自分だけがうまくいかないのはわがままなのかも」
「ちゃんと感謝しなきゃ。でも、つらい」
そう思えば思うほど、自分を責めて、体も心も少しずつ限界に近づいていったそうです。
パートナーとの暮らしで見えてきたもの
あるとき、ゆなさんの様子を見ていたパートナーから「いっしょに暮らしてみない?」と声をかけられました。不安もあったけれど、「このままだと壊れてしまうかもしれない」と思い、思い切って実家を出て、パートナーと一緒に暮らすことにしました。
引っ越してしばらく経つと、それまで続いていた体調不良が少しずつ落ち着いていきました。規則正しい生活や安心できる会話が、ゆなさんにとっての回復の第一歩だったのです。
初めて気づいた、親との関係のこと
心に少し余裕ができた頃、ゆなさんはふと実家での生活を思い返しました。
「私は親の前で、ずっと“いい子”を演じていたんだな」と、初めて気づいたといいます。
親の期待に応えようとして、自分の気持ちを後回しにしていたこと。「ダメな自分を見せたら、がっかりされる」と思って、本音を言えなかったこと。それらが積み重なって、気づかないうちに自分を押し込めてしまっていたのだと、ようやくわかりました。
今は、親と適度な距離をとって暮らしている
それ以来、ゆなさんは親と過度に関わることを控え、必要なときにだけ連絡を取るようにしました。距離をとったことで、責める気持ちも少しずつ消えていき、自分自身の考えや感情に正直になれるようになったそうです。
「親が嫌いになったわけじゃない。
でも、いまは自分を守るために距離が必要なんだと思う」
その言葉には、かつての苦しさと、今を生きる強さが混ざっていました。
おわりに ― 距離をとることも、やさしさのひとつ
家族と距離をとることは、勇気のいる選択かもしれません。でもそれは、関係を壊すためではなく、自分を守るための行動です。無理に仲良くしなくてもいい。いい子じゃなくても、大切にされていい。そんなふうに思える場所がひとつでもあることが、生きていくうえでの支えになります。
やさしいいばしょ編集部では、これからも「生きづらさ」を少しずつほどいていくお話をお届けしていきます。読んでくださったあなたにも、ほんの少しでも「安心」が届いていたら嬉しいです。
